SHARE:

九谷焼の花瓶の特徴とは?他の陶磁器との違いを詳しく解説

九谷焼の花瓶の特徴とは?他の陶磁器との違いを詳しく解説

九谷焼の花瓶は、赤や緑の絵に金の線が入った見た目で選ばれます。

素地(きじ)は主に磁器で、土がむき出しの信楽焼(しがらきやき)や備前焼(びぜんやき)とは水の扱いがまったく違い、水を吸わないので底が湿ったりシミが出たりしません。

ただし呉須(ごす)・赤・黄・緑・紫の五彩や金彩は、釉薬(ゆうやく)の上に絵の具を置いて焼き付けた層なので、研磨剤でこすれば薄くなります。

丈夫な素地と、削れる絵という組み合わせが九谷焼の性格です。

本記事では、九谷焼の花瓶の素地の性質・置ける場所・手入れの手順・ガラスや土物との選び分けを解説します。

インテリアグッズLab 編集部

インテリアグッズLabは、傘立て・表札・花瓶・タオル掛けといった、部屋の一角に置く小物の選び方をまとめたメディアです。素材で何が変わるか、どこを測れば収まるか、賃貸でも取り付けられるか。買う前に確かめておきたい条件から解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

九谷焼の花瓶が水を吸わない理由

九谷焼は石川県で作られる焼き物で、素地の多くが磁器です。

磁器は陶石を原料にして高い温度で焼き締めるため、生地そのものが緻密で水を通しません。

水を張ったまま何日置いても、外側がじわりと湿ることも、底の下の家具に輪じみが出ることもありません。

信楽焼や備前焼のような土物では、釉薬のかかっていない部分から水がにじむことがあるので、ここが実際の使い勝手でいちばん大きな差になります。

そのぶん、水は内側に残り続けます。

吸わない素地は水垢も吸わないので、水を替えずにいると内壁に白い輪が段になって残り、口が小さいと指も届きません。

また磁器は薄く成形できるため、同じ大きさの土物より軽い品も多い一方で、縁や口の際は薄いところが当たると欠けます。

花を挿すときに茎を勢いよく落とすと、口の内側が欠けの起点になります。

五彩と金彩は釉薬の上に焼き付けた層

九谷焼の絵は、素焼き→釉薬をかけて本焼き→その上に絵の具を置いて低い温度で焼き付ける、という順で仕上がります。

絵が釉薬の上に乗っているので、指でなでると絵の具の厚みを感じる部分があり、盛り上げの技法を使ったものは輪郭がはっきり立ち上がります。

この層は釉薬より柔らかく、金彩は特にすり減りやすい部分です。

そのため、扱いで気をつける相手は素地ではなく絵のほうになります。

メラミンスポンジ、研磨剤入りのクレンザー、金属たわしは使えません。

塩素系漂白剤も金や銀の彩色を変色させることがあるので、内側の水垢落としに使うのは避けてください。

青手のように器面のほとんどを絵の具で埋めたタイプは、こすれる面積がそれだけ広いという意味でもあります。

普段の花にどこまで使えるかという観点は、九谷の花瓶の普段使いで解説しています。

九谷焼の花瓶が向く置き場所

水がはねても素地が変化しないので、洗面所やキッチンのカウンター、玄関の下駄箱の上のように、拭き掃除をする場所と相性がよい花瓶です。

土物なら水滴の跡が残る場面でも、磁器は乾いた布で拭けば元に戻ります。

玄関に置くなら、扉の開閉で当たらない位置を選んでください。

磁器は硬いぶん、ぶつけた衝撃を逃がさずに欠けます。

避けたいのは、一日中直射日光が当たる窓辺です。

上絵の顔料は釉薬の下に閉じ込められていないため、強い日射しが当たり続ける条件では色味が変わる可能性があります。

暖房の温風が直接当たる場所も、水温が上がって花が早く傷むので向きません。

枝物のような背の高い花を挿すなら、口径と重心の釣り合いを先に確かめておくと安心です。

倒れにくい形の考え方は枝物花瓶の高さと重心で解説しています。

九谷焼の花瓶の手入れと経年で変わるところ

洗い方と、使ってはいけないもの

洗剤は台所用の中性洗剤で足ります。

柔らかいスポンジかガーゼでなでるように洗い、内側は柄の長い柔らかいブラシを使ってください。

手が入らない細い首なら、酸素系の洗浄剤をぬるま湯に溶かしてつけ置きし、外側の絵に液がかからないよう水位を内側だけにとどめる方法があります。

食器洗い機は、庫内で他の器と当たることと高温の水流の両方が金彩に不利なので、メーカーが可としていない限り使わないでください。

洗ったあとは水滴を布で拭き取ります。

放っておくと水道水のミネラルが白く残ります。

年単位で変わる部分と、変わらない部分

磁器の素地自体は、水を吸わないので何年使ってもゆがみや匂いの染み付きが起きません。

変わるのは絵の側で、金彩や銀彩は手で持つ位置、テーブルと擦れる高台(こうだい)まわりから少しずつ薄くなっていきます。

これは劣化というより使った跡ですが、光り方を保ちたいなら、置き場所を変えるときに毎回同じ場所を握らないようにするだけでも進み方が変わります。

高台の裏がざらつく品はテーブルに細い傷を付けるので、フェルトを貼ってください。

ガラスや土物と比べたときの選び分け

同じ用途でよく比べられるのは、透明なガラスと、信楽焼や備前焼のような土物です。

九谷焼は絵柄そのものが主役になるので、花の本数が少ないほど成立します。

一輪か二輪を挿して余白を残す使い方が向き、束のまま入れると絵が隠れて花瓶を選んだ意味が薄くなります。

比べる点九谷焼(磁器)ガラス信楽焼など土物
水を吸うか吸わない吸わない釉薬のない面から吸うことがある
洗いやすさ絵を避けて洗う配慮が必要汚れが見えるので落としやすい内側の汚れが見えにくい
向く花の量一輪から数輪茎の見え方を楽しむ花枝物や野の花
合わせやすい部屋色数を足したい部屋光を通したい窓辺木や土の質感が多い部屋

部屋に色を一点足したいなら九谷焼、水の入れ替え頻度を目で管理したいならガラス、花より器の質感を見せたいなら土物という分け方になります。

素地ごとの性質の違いは陶器とガラスの比較信楽の土の風合いで解説しています。

よくある質問

九谷焼の花瓶に水を入れたままにしても平気ですか

素地は磁器なので、水を張り続けても割れたり漏れたりする性質のものではありません。

ただし水は替えてください。

内側に水垢が層になって残ると、あとから落とすのが難しくなります。

食器洗い機や漂白剤は使えますか

どちらも避けてください。

上絵と金彩は釉薬の上の層なので、高温の水流や他の器との接触、塩素系の薬剤で傷むことがあります。

中性洗剤と柔らかいスポンジで手洗いするのが基本です。

九谷焼の花瓶は日当たりのよい窓辺に置けますか

短時間なら問題になりませんが、一日中強い日射しが当たる場所は色味が変わる可能性があるので勧めません。

レースのカーテン越しの光か、窓から離した棚の上を選んでください。

まとめ

九谷焼の花瓶は、水を吸わない磁器の素地と、釉薬の上に焼き付けた絵という二層でできています。

水まわりでも使えて底のシミも出ない一方で、研磨剤や漂白剤、食器洗い機は絵の側に負担がかかります。

置き場所は強い直射日光を外し、花は一輪から数輪にとどめると絵柄が生きます。

ぜひ本記事の素材比較表と手入れの手順を参考に、置きたい場所に合う一本を選んでください。

花瓶全体の選び方は花瓶の選び方で解説しています。

あなたへのおすすめ